五一前日はZ116次で上海へ

先日五一の連休のとき、南京へ向かうべく、広州東〜深圳/深圳東〜上海南というルートを経由。4月30日に乗車した列車はZ116次だ。
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現在、上海と深圳間を結ぶ列車は高速鉄道、週末運行の寝台動車組を含めて1日13本。上海深圳間最初の直通列車は06年春節に登場した滬深臨時特快・L139次。1日1本運転で27時間も要したのだった。あれから9年、沿岸都市を走る高速鉄道の開業も含めると、滬深間の鉄道利用も便利になった。今回乗車したZ116次は特快時代も含めるとようやく登場満1年目を迎える。

同列車が登場した14年7月の段階ではT106次だった。これは、11年6月に廃止となった済南〜杭州を結ぶ特快列車だった。また、Z116次は09年に数カ月間登場した上海南〜福州間を結ぶZ列車だった。04年までは特快列車をはじめとする列車番号は何かしらの意味を持っていたものの、高速鉄道の相次ぐ開業で動車組、高速鉄道の1日辺りの運行本数が全国の50%も占めると「伝統ある列車番号」は徐々に有名無実化になってきている。

Z116次の発車駅は深圳駅ではなく12年12月から運用を開始した深圳東駅。羅湖から老街まで羅宝線、老街から布吉まで龍崗線に乗り継ぐ。布吉駅と繫がっている同駅は、羅湖から最短でも30分近くはかかる。かつては深圳北駅だったが、10年末に開業した広深高鉄の深圳北駅が龍華新区にできたため、なぜか「深圳東駅」に名称が変更となった。深圳駅と深圳西駅の容量を解消するため誕生した同駅では、1日20本の列車が発車している。軟席候車室では、鉄道公安のプライベートルームとなっていた。
1 IMG_7024寝る方が大事
チケットは何故か発売制限がかかっており、乗車日を含めて4日前から発売開始になる。高級軟臥は12306に掲載しているものの、実際はなし。というかこの列車、高級軟臥車1両と硬臥車3両が欠落していて、現在は14両編成で運行している。
寝台票 Z116次の寝台票

同列車の前身は、14年7月に登場したT106次。最初から時速160km運行の25T系客車を使用していた。後の同年12月に行われたダイヤ改正ではZ列車に昇格しZ116次として現在に至っている。深圳東駅発の牽引機は南局南段の和諧D1D型だった。今では深圳ではこの機関車が主力となっている。客車は現在進行形で緑塗装が進む客車と白紺ツートンの客車がごちゃごちゃで編成している。この珍しい光景が見られるのは今しかない。
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14時35分に深圳東駅を発車した同列車は、和諧号が走らない広深線の第3、4線を伝ってゆっくり走る。腐った藍箭が放置されている平湖貨物操作場を横切り、樟木頭通過後、東莞手前から京九線に入って北上する。
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東莞東駅を通過したのちは、山と緑が多い山間の隙間をくねりながら奥へと進んでいく。広東と江西の境となる龍川から河源にかけては険しい山間が続き、ときおり夕日に照らされた山の影が点在する馬蹄型の客家集落に差しており、明るい面積がどんどん小さくなってくる。龍川駅では緑皮車慢車の梅州〜龍川7000次番台が停車していた。
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夕食は18時近くからはじまっていた。料金と量と味は許容範囲。車内でビールを飲むと夜中寝付けなくなるのだが、そもそも冷えたビールを置いていない列車だったので、アルコールは止めにした。新型車両は掛け布団が手放せないほどエアコンが効いており、テーブル下の電源のおかげで寝ている間に携帯電話のバッテリーチャージもバッチリだ。
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翌朝6時半近くに目が覚めると、列車は杭州の銭塘江を渡っている最中、杭州東駅から海寧駅、嘉興駅の2カ所に停車し、8時半には遅延することなく上海南駅に到着した。上海に到着したときも牽引機は和諧D1D、ただし上海鉄路局だった。
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この列車は、途中にある中級都市クラスの駅に停車するため、乗車率はかなり高い。09年に乗車した広州東〜京九線経由上海南行きのZ83次は東莞駅以外すべて通過する速度優先ダイヤだったため、乗車率が上がらないまま3カ月以内に運休となってしまったが、途中停車駅が多いZ116次は、高い乗車率を維持している。端から端までだと料金、所要時間共に寝台動車組に負けるが、内陸部を走るため、需要はそれなりに高い。
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本来のZ列車(直達特快)の売りはノンストップ運行と速度優先のふたつを正当化させることでその地位を保っていたが、14年12月のダイヤ改正で25T系客車を使用しているT特快列車は、途中停車が少ないダイヤ優先列車でも、途中停車駅が増えて快速よりややボジションが高い列車になっても圴一の列車称号になった。
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途中停車駅を増やすことで、利用する乗客を増やしていく方針は、これまで速度優先をひた走っていたひとつの時代が終わったことを意味する。1500両もの25T系客車の生産がしばらく続くため。Z列車は今後も増えていくが、花形列車としての地位はすでにない。とはいえ、この列車も7月1日以降の運行が無確定なのが、Z列車愛好家としては今一番気になっているネタなのだ。

今回の乗車距離は1676km(同日の深圳行きも含める)。
私の乗車距離は46万4955kmです。