チベット鉄道の乗り方

使われる車輌

広州〜チベットを駆ける、中国国内最長列車、T264次  チベット鉄道で使われる車輌は、カナダのボンバルディア(BSP)合弁会社の車両と四方客車で製造した25T型の2種類で、工場は青島四方でなんと隣同士。見た目の違いはBSPの車両のほうが若干窓枠が低いことで、普通の人には気にならないレベル。
 共通の特徴は長時間にわたり、最高時速160キロ可能な台車と制御できるブレーキを採用しているほか、全てのトイレに床下タンクを設けて、排泄物を線路脇に垂れ流ししないという仕組みを作り上げている。トイレはあたかも航空機のような真空フラッシュ方式であっという間に吸引される。
 
 またこの列車は高度4000メートル〜5000メートルの区間を走るので当然普通なら空気が薄くなり、恐ろしい高山病を引き起こすが、この車輌は各車輌で独自に酸素を供給できる装置を取り付けた「与圧式」により、車内の空気は地上と同じ感覚で制御されているという機能が働いている。チベット高原に入れば、酸素の供給は23%程アップする。
 さらに、全密閉型にするため、二重ガラスによる密閉式の風防ルームを車両間に設け、気圧と酸素不足による高山病の緩和に対処している。また車内空調でも酸素調整を行い、かつ各車両には必要時に酸素を直接吸引できる器具も乗車人数分用意してあり、また気圧を増加する設備も採用しているので、飛行機機内の設備とあまり変わらないのがすごい。
 ただし、この装置は各車両の1ブロックを占有しているため、乗車出来る人数は普通の車輌より若干少ないのが欠点。あとゴルムド〜ラサ間は火災防止と酸素供給装置を稼動させるため、車両を完全密閉する必要があるという理由で全室禁煙なのでご注意を。
 
 チベットに行く列車は何処始発でも同じ編成になっており、基本合計は15輌編成。総乗員は936名。
 電源車+硬臥+硬臥+硬臥+硬臥+軟臥+軟臥+食堂車+硬座+硬座+硬座+硬座+硬臥+硬臥+硬臥
 
成都駅で発車待ちするT22次硬座…中国鉄道の中では”安くて汚い”イメージが常に付きまとう車輌だが、年々底上げされてきており、レベルが軟座近くまで引き上げられているような感じ。
「あたかも軟座かと思った」とこの車輌に乗車した乗客の感想はこう見受けられるが、所詮硬座は硬座で2+3の90℃直角から変化しない限り、一番ランクの下な車輌であることは変わりは無い。48時間以上乗車できる方はどうぞ。個人的には座席よりもトイレを増やしてもらいたい。酸素供給管は座席の下から管が出ている定員98名。
 
硬臥硬臥…中国鉄道の中では”横になれる”寝台車輌。3段ベットの6人半開放の部屋。 ベッドの横幅は60センチと体の大きい方には寝返りが打てないなどの弱点を持つ。どの段に席を決めるのは人それぞれだが、下段なら人々と交流する機会があり、独りで過ごしたいなら上段がベター。1部屋おきに、電源が付いているので、コンセントを差し込めば充電でるが、電気類を充電したい乗客は少なくないので、できればタコアシを持っていって、仲良く電気の供給を行うようにできれば、他の乗客と上手くやっていけるかも。1車輌10部屋、定員60名。
 
軟臥通路軟臥…向かい合わせの2段ベッド4人1組のコンパートメントでチベット鉄道には常時2両連結されている。ベッドの横幅は75センチあり、テーブルの下に充電用の電源が付いている。各ベットの通路側壁に液晶TVがあるが、これはDVDかVCDなど鑑賞用で実際の衛星テレビではないので注意。
料金は高いが、人気があり、一番入手困難な切符となっている。窓口で買うことはほぼ不可能なので、旅行会社を通して買った方がベター。1車両8部屋、定員32名。

いつ出る? 幻のプレミアムトレイン

 また2007年7月から5つ星クラスの豪華観光専用列車(プレミアムトレイン)を投入すると発表しており、北京の各旅行会社に案内のチラシが出回っていた。料金は、中国の列車では最高の500米ドルから1000米ドルになるといわれており、価格だけなら世界でもトップクラスに入る。
 隔日運行する予定で運行場所はおそらく北京西→拉薩、もしくは西寧→拉薩といわれているが、07年9月の時点でまだ何も発表もないため不明。夢物語で終わる可能性もある。
 この豪華列車は4面ガラスばりの展望車、カラオケや民族歌舞を表演するシアター車も連結され、また、高原の強い紫外線を防ぐため窓ガラスは防護フイルム貼り、医療設備も整えてある。1人部屋も用意しているという噂の豪華コンパートメントはシャワー・入浴設備付設備ありとホテル並みの設備を誇る。内装は豪華でモダンながら、沿線の民族情緒を織り交ぜたデザインだ。
 車内には2系列の空調設備があり、酸素の濃度を23%高めるほか、独立した酸素吸引口も設置。また気圧も適度に増圧され、高山反応対策も万全。重要な観光ポイントでは10分〜15分ほど停車して乗客はホームに設けられた特製の駅舎の中から写真撮影をすることができる。
 列車の発注価格は1編成7億人民元といわれ、トータル乗客数100名および最高時速160キロ出す台車を供えている。料金は上記の通り普通の観光客は利用できない高額な値段だが、中途半端な設備と値段が高いだけではプレミアムなんぞつかない(笑)。

牽引する機関車について

チベット客車を牽引するアメリカ製の機関車さて牽引する機関車ですが、今のところ北京西と成都から蘭州まではSS7E型と呼ばれる電気機関車[以降EL]が使われているようです。この機関車はZ列車牽引でもお馴染みですが、直接車輌に電気を供給するシステムを搭載しており、おかげで車輌は電源車輌要らずということで1輌分客車を追加できます。
 
また蘭州→ラサ間で、電源車を連結して走りますが、牽引機はELからディーゼル機関車[以降DL]に変わります。
DLと言っても以前のマスコミ発表上だと、DF4B型[緑]と高度走行専用DF8B型[雪域神丹]だけかと思われましたが、他にもDF4D型[国鉄特急色]、DF8B型[標準色]、GEのNJ2型[アメリカ製]という数種類のDLが車輌や貨物を牽引しているのが見れます。この区間は勾配と高度が高いため、3重連、4重連の牽引を見ることが出来るかもしれません。

パーミッションとは?

北京でのパーミッション[提供:はいらーある様]パーミッションとはすなわち外国人観光客が携帯しなければいけないチベット入境許可証のことで、これがないと列車の切符を購入出来ません。列車内ではゴルムド(格爾木)駅でパーミッションのチェックがあります。
またパーミッション無しでチベットに入り、持っていないことが発覚すれば、直ちに『拘束→強制送還→2度と中国には行けない』という重い罰則が待っています。
 
パーミッションの入手方法ですが、北京・西安・成都にチベット自治区観光局の国内外駐在事務所があるので、そこで入手する必要があります。ただし現時点(06年7月)だとチベットに入ってから全日程ガイドの手配をしなければパーミッションを貰うことは出来ません(以前より厳しくなった)。料金は1日300元×滞在日数と考えておけばいいでしょう。
また外国人が個人でチベット自治区観光局の国内外駐在事務所に直接赴いても許可は下りず、必ず旅行会社(CITSとか)を通してガイドとパーミッションを申請することになります。

チベット自治区観光局の国内外駐在事務所
チベット自治区観光局北京事務所 北京直門南大街14号保利大厦B1107号室
TEL:(010)65001188内線3423 FAX:(010)6593538
チベット自治区観光局西安事務所 西安市友誼東路55号
TEL:(029)5261980 FAX:(029)5261017-105
チベット自治区観光局成都事務所 成都市建設路一段76号通開大厦15号
TEL:(028)3344866 ファックス:(028)3359399
香港中国チベットチョモランマ旅遊公司 香港謝斐道393号新時代センター37階
TEL:(00852)8383391 FAX:(00852)8341535

★パーミッション申請に必要な資料
  • パスポートネーム
  • パスポート番号
  • パスポートに記されている生年月日
  • パスポート有効期限
  • 職業名
  • 職業内容(自己申告OK、出来れば名刺のコピーも)
  • チベット内で全日程ガイドをつけることが条件
  • 健康管理に注意

    チベット鉄道は高度4000メートルを多く走る。普通なら高山病だが、列車は与圧式車輌を採用し、何とか車内で地上レベルまで持っていっています。とはいえ、やはり既に乗車した方の話によると、与圧式とはいえゴルムド以降に気分が悪くなる乗客が出たようです。
    また切符を購入する際、チケット窓口に自己申告制健康カードがあり、それに記入して乗車する際に切符と健康カードを乗務員に見せます。また健康カードの裏面には以下の症状を持っている方は列車に乗車できないと書かれています。
    健康カード
  • 心臓病
  • 高血圧
  • 各種の血液病、脳血管の疾病
  • 呼吸系の疾病、肺の疾病、気管支喘息、気管支の拡張、肺気腫、活動性肺結核、塵の肺病
  • 糖尿病
  • ヒステリー、てんかん、精神分裂症
  • 上部呼吸器感染
  • 体温は38℃以上
  • 妊婦

  •  
    まあ、あくまでも自己申告ですし、車輌の乗務員はチェックできるわけが無いので、自分のカラダに何も異常が無ければ問題がありませんが、常日頃から健康管理に気をつけておけば憂いは無いでしょう。

    切符の買い方

    さて切符の購入の前に、言っておく事があります。まずは青蔵鉄路は中国鉄道とは運営が違うということを認識してもらいたいです。というのも料金が高いからです。最も貧しい地域の一つではないかといっても、今後観光収入がより多く見込めるという皮算用で硬座以外の硬臥、軟臥は若干料金を値上げしてあります。プラス15%は高いと思ってください。
    建前上、チベットへ行く列車は発車日を含む10日前から購入できることにはなっていますが(駅によって発売日が違います)、現時点(2006年7月)だと8月下旬辺りまで旅行社を通しても無理という情報が入ってきています。特に軟臥の争奪は厳しいと思います。
    幸運な方が裏に手を回して切符をゲット出来たとも聞いていますが、私にはその方法は分かりません。もし行きたいのなら焦らず”9月まで待つ”という手もありだと思います。
    また規定上、チベット行きの列車に乗車する場合は途中下車は出来ない(終点:拉薩まで乗車してもらう)、総定員をオーバーすることは出来ない(無座は売らない)という事情があるのでそれも頭の中に入れておいてください。
    ちなみにラサ→各都市行きの切符の場合、途中までの切符も発売するので、ラサに行きの切符よりは買い易いと思います(発売日は乗車日を含めた5日前から)。

    チベット行き未遂事件

    ※関係者の方からのご指摘により、料金はぼかしてあります。
    2006年某月某日、私は北京にある某旅行社から、8月X日出発:T27次ラサ行き軟臥が売れ残ったという情報をもらい、一旦は勢いでラサまでいこうと考えた。しかしある理由から泣く泣く断念した。
    チベットに行くには外国人はチベット入境許可証(パーミッション)が必要だが、この某旅行社の場合は北京にあるチベット施設ではなく、ゴルムド発行の許可証を取り扱っている。ただ申請手続きは面倒ではなく、1週間もあればラクラク出発まで間に合う。許可証はゴルムドから北京までEMSで送られる。
     
    この某旅行社の場合、切符入手は直接ある部門と繋がりがあるので、もし列車でチベットに行きたい場合は【行きの列車・入境証・帰りの飛行機・ホテル手配・ガイド・自動車】込みで申請を行う。取れないといわれている、軟臥切符もほぼ100%ゲットできる(かも)。
     
    もし自分である程度手動けるなら【入境証・ガイド・自動車】は某旅行社に頼まなければいけない。問題なのは入境証で、発行する条件として、ガイドと車の手配は行わなければいけないとの事。
    そして、何とガイド(日本語)と自動車の2日間の手配のみがそれぞれXX00元かかり、合計XX00元になる。入境証はX日でXX0元。それにホテルは1泊XX00元XX日でXX00元(私の場合)。トータルにするとXX00元かかります。
     
    はっきりいいますが。これは入境証を貰うためにかかる費用で、航空代と列車は別。この某旅行社ではガイドと車を頼まないとゴルムドからの許可証は100%下りません。
    ちなみに列車代は軟臥下段で1262元+XXX元かかり、飛行機代はラサ→成都、成都乗り継ぎ→上海浦東はそれぞれ税込みでXX10元とXXX0元(成都−上海は5割チケット)。
     
    トータルで計算すると
    列車代:1262元+XXX元
    地上代:XX00元
    航空券:XX30元
    計XXXX2元(RMB)×14=XXX488円(JPY)
     
    今の私の経済状況なら、チベットから帰ってきた後、十分首を括れる金額ですので、それじゃあまずいということで、行きを断念しました。覚悟が足りなかったです。
    私にとって予想外だったのは地上手配の高さ、X日間でガイド・車でXX00元は幾らなんでも取りすぎだろう。というのが当初感じた本音です。ただ後になればそれだけ自分がチベット旅行に対する勉強不足の部分がかなりあり、それは仕方ないですが。
     
    ただ断っておきますが、某旅行社は地上手配が高い分、列車チケット購入や手続きが異様にスムーズに進むということです。結局お金で物事を運んでいるものと思われますが、自分で手配するよりか、かなり楽だと感じました。
     
    今回の件では幾つか勉強にはなりました。この失敗はこれで収穫だと思います。
    今後チベットに行かれる方の参考になれば幸いです。
    今回は経済面で断念しましたが、来年1泊1000ドルの列車には乗りに行きます。