国際列車

中国では「国際聯運」と呼ばれるこの国際列車、現在の運転区間はロシア、モンゴル、ベトナム、北朝鮮、カザフスタンの5ヶ国6系統だ。国によって線路幅が異なるため、ロシアとモンゴル、カザフスタン行きは国境で台車交換を行ない、ベトナム行きは別の車両に乗り換える。国際聯運車両規格にのっとった構造を持つ車両の車体中央に掲げられる同堂々とした国章は、一般の中国車両と違い不思議なオーラを放っている。
なかでも、スケールが大きいのはシベリア鉄道を経由する2本のモスクワ行きで、片方は9025kmを1週間かけて乗車、もう片方は中国、モンゴル、ロシアの3カ国経由の乗車とそれぞれ非常に乗り応えがある。日が照り付ける灼熱の砂漠に、いつまでも続く広大な平原、針葉樹の生えた厳寒地帯、緊張する出入国審査と無事通過したときの安堵感。乗車中これらの経験が一度にできるのも国際列車ならではの醍醐味といえよう。
昔は国の命運を握る外交官の移動手段として、現在は観光客や一攫千金を夢見る商人の買出し列車として、相次ぐ国内のスピードアップとは無縁のダイヤで、今も変わらず走っている国際列車。当コーナーでは、この魅力溢れる国際列車の乗車の案内、切符の購入方法などの徹底紹介を行ない、今後乗車する人にとって良きアドバイスになってもらいたい。
現在、中国では国際列車を運行するにあたり、東側諸国の鉄道所管官庁と鉄道事業体で発足した鉄道国際協力機構(本部ワルシャワ)に所属しており、旅客輸送、貨物輸送および車両使用の連携について加盟国間の合意を結び、国際間のダイヤや車両運用の調整にあたっている。また、国際列車で使われる車両規格はバッファー間までの長さ24.5mと決まっている。
そして、東側諸国間の国際列車共通運賃はスイスフランで統一されており、それを自国のレート価格に合わせて発売している。
![国際列車運行系統図[提供:はいらーある様]](image/map.gif)
注意!09年2月1日の料金改正で、国際列車価格が大幅に上昇しました
国際列車乗車注意10項目1、この情報は09年3月までを採用
2、必ず計画を立てて旅行を行うこと
3、予期せぬトラブルが起こるかもしないので3〜4日、日程に余裕を持たせる
4、外務省の海外渡航情報は出発前に確認すること
5、目的地の現地通貨を持っていない場合、米ドルの持参はベター。小額紙幣も準備したほうがいい
6、レートにより、国際列車の料金が変動する場合がある
7、国境で撮影を行う際は周囲に注意を払うこと、注意されたらすぐやめること
8、国ごとにより時差が存在するため、総乗車時間は一部当てにならない
9、国境越えの際、手続きが半日かかる場合もあるほか、車内に閉じ込められてトイレが使えない時間が3〜4時間ある
10、中国から第三国に出国する際に必要なビザは、日本で取得しておいた方が現地での負担が軽くなる
北京−[ロシア]モスクワ
列車番号 |
運行区間 |
距離 |
所用時間 |
高包 |
軟臥 |
硬臥(包) |
---|---|---|---|---|---|---|
K3/4次 |
北京―烏蘭巴托―莫斯科 |
7865キロ |
約126時間 約132時間 |
6021元 |
5501元 |
3737元 |
![K3/4次のサボと国章[提供:はいらーある様]](image/k3.jpg)
K3次 [水曜]北京7:47発→同日二連20:37/24:00→[木曜]ウランバートル13:20/13:50→翌週[月曜]モスクワ14:28着
K4次 [火曜]モスクワ21:30発→[日曜]ウランバートル07:35/08:05→同日二連21:00/24:57→翌週[月曜]北京14:31着
中国、モンゴル、ロシアを跨ぐこの長距離列車の車輌は中国側を使用。2人ひと部屋の高包はRW19型、4名コンパートメントの軟臥はRW18型、同じくベッドが狭い4名コンパートメントの硬臥(包)はYW18型で共に非空調。食堂車は国ごとの専用車になります。全区間中国人車掌乗務。モンゴル国境の二連で台車の交換を行います。
この列車はモンゴル:ウランバートルを通過しますのでウランバートル行きの切符も発売されますが、実際はロシア行きが優先されるので、ウランバートルまでは切符が売れ残らないと発売しませんので、直前にならないと分かりません。
※ロシア行きの切符料金はレートによって表示より若干異なる場合があります。ご了承ください。
※地名: 烏蘭巴托[ウランバートル]、莫斯科[モスクワ]
列車番号 |
運行区間 |
距離 |
所用時間 |
高包 |
硬臥(包) |
---|---|---|---|---|---|
K19/20次 |
北京―満洲里―莫斯科 |
9025キロ |
約139時間 約149時間 |
6827元 |
4404元 |
【運行状況】

K19次 [土曜]北京23:00発→翌週[月曜]満洲里03:27/07:01→[金曜]モスクワ17:57着
K20次 [金曜]モスクワ23:53発→翌週[木曜]満洲里19:30/24:41→[土曜]北京5:20着
【列車紹介】
北京から中国国境・満洲里を経由し、シベリア鉄道ルートでモスクワへ至るK19/20次の愛称は「ボストーク」(東方)号。列車はロシア所属の車両を使用するため、全区間ロシア人車掌乗務が乗務する。08年1月より新型に置き換えられた。MECT24型(計24人)は独立シャワー室を備えており、MECT36型は4人部屋クラス(計36人)。
北京から編成されている中国製3両の硬臥は満洲里止まりのほか、食堂車は国ごとの専用車になります。瀋陽駅で北朝鮮(平壌)から来た、同じくモスクワ行き国際列車用、硬臥車輌×2が連結されるため、瀋陽から満洲里間は3カ国の編成を見ることができます。
中国とロシアとではレールの幅が違うため、ロシア側国境のザバイカルスクで台車交換が行われます。

ロシアはビザとバウチャーが必要。観光ビザを取得する場合は、ロシア側の旅行会社が発行する旅行確認書(=ビザサポート。コピー可)と、ロシアの旅行会社が発行するバウチャーのコピーか、もしくは、日本の旅行会社のバウチャー原本とコピーが必要となります。ビザサポートはロシア外務省に登録されている会社が発行するものです。バウチャーの発行には最低限ロシアでの宿泊施設の予約が必要です。
北京にある国際飯店の2階のCITSでシベリア鉄道の切符を買うときに代理で申し込む。もしくはロシアツアーに参加する際にバウチャーを貰い、観光ビザを申請します。
切符とビザを申請する際には3〜4日の日程は必要だと思います。
またロシアから第三国に抜ける航空券や列車の切符をあらかじめ持っているなら、バウチャー無しで、トランジットビザが下ります。
【北京のロシア大使館でビザ申請】
写真一枚、パスポートとバウチャー、チケットのコピーが必要です。東直門内大街12−2にコピーのできる店あり(大使館から徒歩5分)。エクスプレス発給(翌日11時半受け取り)手数料972元。料金表には「120ドルまたは996元」と書いてあるが、なぜか安いときもあります。
出来れば日本で予め申請しておく方がいいです。[ ロシア総領事館 ]
北京−[モンゴル]ウランバートル
列車番号 |
運行区間 |
距離 |
所用時間 |
高包 |
軟臥 |
硬臥(包) |
---|---|---|---|---|---|---|
K23/4次 |
北京―二連―烏蘭巴托 |
1561キロ |
約30時間 |
1790元 (1797元) |
1619元 |
1128元 (1190元) |
【運行状況09】
K23次 [月※/火]北京7:47発→同日二連20:37/24:00→[火※/水]ウランバートル13:20着
K24次 [金/土※]ウランバートル08:05発→同日二連21:00/24:57→[土/日※]北京14:04着
無印は中国車両。09年6月2日から10年5月25日まで。
※は夏季臨時モンゴル車両。09年6月20日から10月27日まで。
【列車紹介】

中国側の車両は、ソ連/ロシアをはじめとする東欧諸国向けに国際基準規格の国際車両の製造実績があるドイツのDWA社製を使用しており、10年以上の運行暦を持っていますが、腐ってもドイツ車らしく質実剛健な質感が魅力。最新の中国車両と比べても全然遜色ありません。
中国側の列車編成はRW19型×2、RW18型×2、YW18型×8、CA18型×1、XL18型×2の15輌編成です。そのうち、食堂車とYW18型の1輌は二連で切り離し、モンゴル側の食堂車と2人用高級軟臥(MECT18)が連結されます。
また、モンゴル側の車両は、08年06月にドイツDWA社製から唐山車両工場製に置き換えられました。内訳として、MECT20型(2人個室)×3、MECT36型(4人個室)×10、食堂車×1、荷物車×1、電源車×1の15輌編成で、軟臥は存在しません。乗務員はモンゴル人です。
しかし、09年1月3日、北京発のK23次が山西省内を走っていたとき、突如電源車から火災が発生し、重大な事故に至らず無事ウランバートルまで走りましたが、これ以降、車両はドイツのDWA社製に戻しており、新型車はいつ復活するのか非常に気になります。

また国境では中国側国境の二連で台車交換が行われ、車輌に乗車したまま台車交換を見ることが出来ます。台車交換中、車内のトイレは使えません。モンゴル入国場所はザメールドゥ。深夜ですが係官が車内を回り入国審査を行います。
モンゴルに行く列車の切符を買う場合は、切符にパスポートNoと名前が記されるため、パスポートのコピーは必要です。
※地名: 烏蘭巴托[ウランバートル]
呼和浩特−[モンゴル]ウランバートル
列車番号 |
運行区間 |
距離 |
所用時間 |
高包 |
硬臥(包) |
---|---|---|---|---|---|
4651/2/3/4次 |
呼和浩特―二連―烏蘭巴托 |
1210キロ |
約35時間 約26時間 |
870元?(月曜) 692元(金曜) |
551元?(月曜) 489元(金曜) |

4652/3次 [月/金]呼和浩特22:00発→翌日[火/土]二連06:08/18:00→翌々日[水/日]ウランバートル11:15着
4654/1次 [月/金]ウランバートル20:00発→翌日[火/土]二連10:25/13:30→同日呼和浩特21:28着
【列車紹介】
呼和浩特からウランバートルに行く場合、注意しなければいけないのが列車の料金で、月曜発と金曜発とでは料金が違います。またモンゴル→呼和浩特の方が料金は安いです。
更に呼和浩特→ウランバートルルートの場合、9時間余計にかかります。
呼和浩特から月曜発の車両はモンゴル(ロシア)側、金曜発の車両は中国側です。
中国側の車輌:RW18型+YW18型+YW18型(←一番左側だけ恐らく宿営車)、
モンゴル側の車輌:MECT36型+合造車(高包4部屋、硬臥(包)5部屋)。
どちらも食堂車は連結しておらず、モンゴル側の列車だと、無料夕食と紅茶のサービスがあります(終点間近で4元払います)。
モンゴルに行く列車の切符を買う場合は、パスポートのコピーは必要です。
二連−[モンゴル]ウランバートル
列車番号 |
運行区間 |
距離 |
所用時間 |
硬臥(包) |
---|---|---|---|---|
685/6次 |
二連―烏蘭巴托 |
719キロ |
22時間 14時間20分 |
377元?(中国発) 198元?(モンゴル発) |
【運行状況】
685次 [月/金]二連18:00発→翌日[火/土]ウランバートル11:15着
686次 [日/木]ウランバートル20:00発→翌日[月/金]二連10:25着
【列車紹介】
中国側モンゴル国境の二連からウランバートルまで行く列車で、時刻表には載っていません。
車輌はロシア車MECT36で、8輌編成です。
料金と時間は、中国からモンゴルまで行く方が料金は高く、時間はかかります。
理由は運び屋(生活物資を送る商人)対策です。
※地名: 呼和浩特[フフホト]、二連[エレン]の表記はこのまま、若しくは二連浩特
【ビザ】
モンゴルはビザが必要。日本のモンゴル大使館でも受け付けていますが、もし中国でモンゴルビザを申し込むなら、北京にあるモンゴル大使館で申し込みはできます。
3日後の発給で40US$(元も可能だが高くなる)、11時までに申請すれば午後発給も可能でプラス10US$。午前中は11時までですが、わざと5分ほど時計を進ませており、早く締めるので余裕をもって行ってください。ここでは30日ビザのみ取れます。
他にフフホトと二連浩特(国境の町)に領事館があり。二連は北京と条件は同じです。
出来れば日本で予め申請しておく方がいいです。[ モンゴル大使館 ]
北京−[北朝鮮]平壌
列車番号 |
運行区間 |
距離 |
所用時間 |
軟臥 |
硬臥 |
---|---|---|---|---|---|
K27/8次 |
北京―丹東―新義州―平壌 |
1371キロ |
約26時間 |
1414元 |
977元 |

K27次 [月/水/木/土]北京17:30発→翌日[火/木/金/日]→丹東07:17/09:35→[同日]平壌19:19着
K28次 [月/水/木/土]平壌10:10発→[同日]丹東16:23/18:31→翌日[火/木/金/日]北京8:33着
※北京発:K27次、月木:中国 水土:北朝鮮
平壌発:K28次、月木:北朝鮮 水土:中国
【列車紹介】
中国と北朝鮮を結ぶ国際列車。ダイヤの時差は1時間。国境の丹東と新義州で出入国審査があるが、台車の交換は行いません 。
北朝鮮でも電化こそされているものの、線路の整備が恐ろしく悪いため、スピードはかなり遅いです。平壌行き車輌はK27/8次に軟臥・硬臥がそれぞれ1輌連結されています。25KタイプとYW18※タイプがあります。
YW18※の車両は木曜日のK27次北京発、日曜日のK28次北京着に連結されます。理由は、平壌からモスクワ行きの国際列車車両が、土曜日のK28次に連結されて丹東を越え、瀋陽で北京→モスクワのK19次に連結されるからです。またモスクワから戻ってきた客車は、木曜日に瀋陽でK27次に連結され、そのまま平壌に向かいます。そのため、連結器がロシア客車に対応しているYW18※が使われるという方式です。


※北京持ちの車両が25T型に変更
08年北京オリンピック開催に合わせて、北京〜丹東間のK27/28次が25Gから25Tに置き換わり、同時に国際列車で使用する車両も25Tに置き換わった。車両は軟臥と硬臥で、軟臥は36名の定員に対し、硬臥は40名乗りの硬臥包。外観は、途中連結をするロシア車両に対応させるため、連結部分にバッファを持ってきているのが特長だ。また、意外に25Tと中国国章の組み合わせが実にカッコイイ。国際列車車両=古びたDWA製緑皮車という偏見から脱却できる洗練された組み合わせだ(画像提供:ito様)。
※地名: 平壌[ピョンヤン]
【ビザ】
北朝鮮はビザが必要。
ただし、現時点で日本人が単独で申請⇒取得は100%無理です。
出来れば日本で北朝鮮の旅行を扱っている旅行会社で予め申請しておく方がいいです。
北京西−[ベトナム]ハノイ
列車番号 |
運行区間 |
距離 |
所用時間 |
軟臥 |
---|---|---|---|---|
T5/6次 |
北京西―南寧―憑祥・同登―河内 |
2977キロ |
約40時間 |
2204元 |

T5次 [木/日]:北京西16:16発→翌日[金/月]南寧20:05/21:15→翌々日[土/火]憑祥01:05/2:40→同日ハノイ8:10着
T6次 [火/金]:ハノイ18:30発→翌日[水/土]憑祥01:41/03:25→同日南寧07:00/8:30→翌々日[木/日]北京西13:38着
【列車紹介】
中国とベトナムを結ぶ国際列車は、戦後すぐに運行を開始したものの、1979年の中越紛争で一時乗り入れが中止となっていたものの、1996年から再開している。
現在、一応北京からハノイまでの直通列車は出ているものの、北京西−南寧間はT5/6次、南寧−憑祥間はT8705/6次、憑祥−ベトナム・ドンタン間はT8709/80次。ドンタン−ハノイ間はM2/1次と列車番号が3回ほど変わり、ベトナム側のドンダンではベトナム車両に乗り換える。行き帰りとも国境は真夜中に通過するのでかなりしんどいです。

ハノイまでの料金は2204元。南寧駅からの寝台割り当てがあり、南寧―ハノイ間は軟臥345元。北京からベトナムのドンタンまではこの軟臥で行けますが、入国してドンタン到着後は全ての荷物を持って、ベトナムの車輌(M2次)に乗り換える必要があります。
また、ベトナム側の寝台車両は2両のみでハノイまで運行されますが、中国車両と比べ1両あたり定員が8名少ないので、油断していると席が埋まっているという”あり得ない事態”が起こりますので、ドンダン駅で切符改札が始まったら、まっ先にホームへ行くようにしましょう。
南寧−[ベトナム]ハノイ・ザーラム
列車番号 |
運行区間 |
距離 |
所用時間 |
硬臥 |
軟臥 |
---|---|---|---|---|---|
T8701/2次・MR1/2次 |
南寧―憑祥・同登―河内 |
396キロ |
約13時間 |
147元※ |
228元※ |
【運行状況】

T8701/2次(MR2/1次)[毎日]
南寧18:45発→憑祥22:11/23:41→翌日ドンタン00:22/1:22→同日ハノイ(Gia Lam)05:45着
T8702次(MR1次)[毎日]
ハノイ(Gia Lam)22:40発→翌日ドンタン3:00/4:00→同日憑祥4:41/6:41→同日南寧10:12着
【列車紹介】

広西チワン族自治区・南寧とベトナム・ハノイの東郊外、ザーラム(Gia Lam、嘉林)結ぶ国際列車が09年1月1日より運行を開始しました。
これまでは、ベトナムまでの直通列車はT5/6次・北京〜南寧〜ハノイしの1本でしたが、第2の国際列車として新たに南寧からも設定されたのです。
この列車は全車エアコンつき寝台車。毎日運行しており、全距離396キロ、運行12時間(国境越えは4時間)。南寧駅を毎日18:45に発車し、翌4:45にザーラム駅に到着。ハノイ駅発は21:40で翌10:12に南寧駅に到着する。ドンダンで入国審査が行われるが、標準軌のレールを使用するため、T5/6次のように乗り換えは発生しません。牽引機関車はベトナムで使用している標準軌の中国製機関車。
列車番号は、中国ではT8701/2次、ベトナムではMR1/2となります。

同列車に使う車両は19両用意され、車両はエアコンに必要な床下ディーゼル発電機などを積んだ国際聯運車両使用規則(略称車規)のRW25B(紅皮車色)。乗務員は南寧鉄路局で働く35歳以下の132名のうち、選ばれた17名が同列車に従事します。

また、ハノイ東部のザーラムはベトナム国境・ドンダンから続く標準軌と狭軌の三線区間の終点となります。標準軌の方を使うため、ドンダンでの車両の乗り換えという手間も発生しませんが、新型インフルエンザ検査で憑祥とドンダンの両方で乗客および乗務員はすべての荷物を持って下車。健康チェックと荷物チェックを受けてから再び列車に乗り込むことになります。
この列車も400キロ足らずで夜中の国境越えも含めて、13時間運行とは極めて不便。しかもザーラム到着時間はベトナム時間の朝4:45。おかげで、乗客数は多くありません。
【ザーラム駅からハノイ市内までのアクセス】

まず、ザーラムはハノイ駅より5キロ先の東北部にあります。ボリタクの相場は市内まで20米ドル。しかし、そんな料金につぎ込むのは馬鹿馬鹿しい。実はザーラム駅前にある細い道を道なりに西南方向に500メートルほど行くと、ザーラムバスターミナルがあり、同ターミナル始発の03路線がハノイ市内を通り(Tram Quang Khai st. Trun Hung Dao st.)、ハノイ駅方角(Le Duan st.)まで行ってくれます。料金は片道3000ドン。始発だから待っていれば確実に座れるのも高いポイントです。早朝5時にはザーラム駅に到着してしまいますので、1時間ほど駅舎で待って空が明るくなってからバスターミナルに向かう方がベターでしょう。
※地名: 河内[ハノイ]、同登[ドンタン]、嘉林[ザーラム]
【ビザ】
ベトナムは入国15日以内ならビザは不要です。[ ベトナム大使館 ]
烏魯木斉−[カザフスタン]阿拉木図(アルマトイ)
列車番号 |
運行区間 |
距離 |
所用時間 |
高包 |
硬臥 |
---|---|---|---|---|---|
K9795/6次 |
烏魯木斉―阿拉山口―アルマトイ |
1374キロ |
約29時間 |
1154元 カザフスタン車のみ |
804元 |
![カザフスタン内の国際列車、K9785(N895次) [提供:はいらーある様]](image/kazafu.jpg)
【運行状況】
K9795次 [月/土]烏魯木斉23:58発→[水/翌週月]アルマトイ7:40着
K9796次 [月/土]アルマトイ20:55発→[水/翌週月]烏魯木斉7:08着
※烏魯木斉発:K9795次、月曜カザフスタン車両 土曜日中国車両
アルマトイ発:K9796次、月曜中国車両 土曜日カザフスタン車両
【列車紹介】
![カザフスタン内の国際列車、N895次のサボ [提供:はいらーある様]](image/n895.jpg)
1992年、カザフスタンが旧ソ連から独立を果たしたあと、半年後に、ウルムチと当時首都だったアルマトイ間で誕生した国際列車。
使用する車輌は25Kをベースにした四方車輌製のRW18型とYW18型で意外に知られていませんが超豪華です。RW18型の方は10人用で、1人部屋と2人部屋があります。YW18型は硬臥の4人部屋です。08年07月の段階ですと、中国車輌は硬臥のみの編成で、本来10輌編成なのが欠番が多く、実際は荷物車、電源車を入れて8輌とパッとしません。
ウルムチから中国側の国境である阿拉山口までは缶詰生活となり、阿拉山口駅ですら勝手にホームに立つことすら許されません。カザフスタン側の国境・ドスティックで台車交換が行われます。食堂車は連結されていないので食料は2泊分用意する必要があります。
カザフスタン国境・ドスティックには両替所およびレストランがあり、2時間の停車のなかで自由に動けますが、国境(緩衝地帯)の写真撮影は禁止です。(はいらーある様より)
【切符の買い方】
ウルムチ駅を背にして左手にある「亜欧賓館」の1階にある売り場です。
営業時間は10:00〜13:00、15:30〜18:00、21:30〜23:30。水曜と木曜はと日曜は休みです。
購入時には、パスポートが必要。カザフビザの有無はチェックしませんでした。
烏魯木斉−[カザフスタン]阿斯塔(アスタナ)
列車番号 |
運行区間 |
距離 |
所用時間 |
高包 |
硬臥 |
---|---|---|---|---|---|
K9797/8次 |
烏魯木斉―阿拉山口―アスタナ |
1898キロ |
約41時間 |
1400元 16000テンゲ? |
892元 10000テンゲ? |
【運行状況】
K9797次 [木]烏魯木斉18:50発→[日]アスタナ00:20着
K9798次 [火]アスタナ13:58発→[木]烏魯木斉08:58着
【列車紹介】
![中国の国境の町、阿拉山口 [提供:はいらーある様]](image/alashankou.jpg)
08年5月より登場したカザフスタン所属の新国際列車。使用される車輌はMECT18型(高包)とMECT36型(硬臥包)。国境の阿拉山口で台車交換を行います。
ウルムチとカザフスタンの時差は2時間。
この国境通過地点は、係官が難癖をつけて賄賂の類を要求することで、以前から悪名高いです。入国カードはすべてロシア語なのがやっかいです。
※地名: 烏魯木斉[ウルムチ]、阿拉木図[アルマトイ]、阿斯塔[アスタナ]
【ビザ】
カザフスタンはビザが必要(通常はインビテーションが必要です)。
2004年2月より、日本国籍の方が、商用・観光・その他私的目的の短期滞在用査証を申請する場合には、原則として受け入れ先の招待状(インビテーション)なしに、所定の申請書を各国に駐在するカザフスタン大使館(領事館)に提出するだけで発給されるようになりました。
北京にあるカザフスタン大使館で申請することが出来ます。⇒1ケ月観光ビザで日本人は無料。
ビザ取得期間は3日。休館日は火、土、日。(はいらーある様情報08年07月)
ウルムチにある領事館でも取れます⇒値段は87元前後。領事館入場料?で10元かかるそうです。
[ 場所] ウルムチ市昆明路31号カザフスタン航空公司内
[ 期間] 申請日を含む3営業日。例:月曜申請、水曜受取。受取は、午後1時。準備に写真1枚、パスポートコピーが必要。
[有効期限] ビザを受取った日から30日間有効のシングルビザです。
出来れば日本で予め申請しておく方がいいです。[ カザフスタン大使館 ]
哈爾濱−[ロシア]ウラジオストック/ハバロフスク
列車番号 |
運行区間 |
距離 |
所用時間 |
硬臥 |
---|---|---|---|---|
K7023/4次 |
哈爾濱東―綏芬河―ウラジオストック |
813キロ |
約24時間 |
???元 |
哈爾濱東―綏芬河―ハバロフスク |
1355キロ |
約39時間 |
738元? |
![ハバロフスク−ハルビンのサボ[提供:はいらーある様]](image/n23.jpg)
K7023次[水/土]哈爾濱東20:48発→[木/日]綏芬河07:16/09:30→[金/翌週月]ウラジオストック01:00着
K7023次[水/土]哈爾濱東20:48発→[木/日]綏芬河07:16/09:30→[金/翌週月]ハバロフスク01:00着
K7024次[月/木]ウラジオストック12:15発→[火/金]綏芬河15:30/21:21→[水/土]哈爾濱東7:59着
K7024次[月/木]ハバロフスク12:00発→[火/金]綏芬河15:30/21:21→[水/土]哈爾濱東7:59着
【列車紹介】
ハルビン発ハバロフスク・ウラジオストック行きは、スイフンガ行き快速に併結される。同じ列車にロシア車(MECT36)1両ずつで、スイフンガを越え、ウスリースクに停車するとそれぞれの目的地別に別れます。
国境のロシア側グロデコボで台車交換を行います。
【ハルビン−ハバロフスク】
車掌は全区間ロシア車掌が乗務。
ハバロフスク車はウスリースク→ハバロフスク間は、オケアン号に併結。この区間のみ、車輌間の通り抜け可能。
その他の区間(ハルピン→スイフンガ→グロデコボ→ウスリースク間)では通路に鍵をかけられるため、車輌間の移動は不可能。車内販売もないので、事前に食料は買っておいたほうがいいと思います。車輌は非空調で窓も開かないため夏の車内は地獄のように暑いです。
ハバロフスク→ハルビンのルートを辿る場合、中国側国境の町スイフンガにて午後から夜にかけて7時間ほど停車します。
停車中は出発までに列車に戻ってきさえすればどこに行っても良いので、汽車旅の途中でスイフンガ市内観光を楽しむこともできます。
グロデコボでの出国手続に100ルーブル/人徴収されますのでルーブルの現金は切らさないようご注意下さい。名目は不明。また、逆に中国からロシアに入る場合に必要かどうかも不明。
※地名: 哈爾濱[ハルビン]、綏芬河[スイフンガ]
【ビザ】
ロシアはビザとバウチャーが必要。観光ビザを取得する場合は、ロシア側の旅行会社が発行する旅行確認書(=ビザサポート。コピー可)と、ロシアの旅行会社が発行するバウチャーのコピーか、もしくは、日本の旅行会社のバウチャー原本とコピーが必要となります。ビザサポートはロシア外務省に登録されている会社が発行するものです。バウチャーの発行には最低限ロシアでの宿泊施設の予約が必要です。
【北京のロシア大使館でビザ申請】
写真一枚、パスポートとバウチャー、チケットのコピーが必要です。東直門内大街12−2にコピーのできる店あり(大使館から徒歩5分)。エクスプレス発給(翌日11時半受け取り)手数料972元。料金表には「120ドルまたは996元」と書いてあるが、なぜか安いときもあります。
出来れば日本で予め申請しておく方がベターです。[ ロシア総領事館 ]