城際列車

 約100〜300kmと比較的近距離の都市間を移動する乗客の要求に応えるために登場した城際列車(都市間特急)だ。待たずに乗れる利便性と、分かりやすいパターンダイヤをコンセプトに、大都市間を結ぶシティー・コミューターとして今後の活躍が期待されている。

中国鉄路で最も身近な列車

 城際列車が登場したのは、今から約10年前の1998年明けから。それまで中国列車のほとんどは長距離運用しか行なわれず、短距離列車を頻繁に運行するという考えは皆無だった。
 その原因のひとつとしてあげられるのが、中国の社会主義体制。その地域に住んでいる人は地元の会社で勤務するのが当たり前だったため、休日以外、近隣都市に行く縁がほとんどなかった。
 もうひとつの原因として挙げられるのは、インフラの未整備。当時の中国国鉄は単線区間が多く、列車を増やすことが物理的に不可能だった。そのため、仮に短距離を移動したくても切符は発券してもらえず、近場の都市間を移動するにはバスを利用するしかなかった。
 しかし、中国経済が発展するにつれて、都市間移動の需要が多くなり、特に都市の成長が著しい北京・天津・大連・青島(環渤海経済圏)、南京・上海・杭州・寧波(長江三角デルタ地帯)、広州・深セン・香港・マカオ・珠海(珠江デルタ経済圏)などの沿岸地域では、その傾向が顕著になっている。
 旧態依然としたこれまでの中国国鉄がこうした社会環境の変化に対応できないでいるなかで、乗客のニーズに柔軟に応えるデラックスな高速バスが登場をはじめ、高速道路網の発達とあいまってサービスの悪い列車の地位を脅かしはじめた。  そのため中国国鉄では、利用者の需要に応えるべく、城際列車という短距離列車を新たに登場させ、ダイヤ改正のたびに本数や走行地域を増やしており、高速バスと熾烈なサービス合戦を繰り広げている。
 
 城際列車とは都市(城)を結ぶ(際)列車という意味で、
@頻繁に発車
A目的地まで正確に高速運行
B短い編成でも、大勢の乗車が可能
C清潔感あふれる快適な車内
D服務員のサービス向上
などをコンセプトに、1日何本も単純往復が可能な都市間特急を意味している。
 
 車両のほとんどは専用の高速車両を採用しており、列車の種別はD動車組やT特快が多い。車内は硬座でも居住性は大幅に向上しており、エアコン完備はもちろん、時にはお湯やミネラルウォーターのサービスもある。
 また、列車の一部は、動力分散式の電車特急タイプの車両や客車と同じデザインをした機関車によるプッシュプル方式で運行され、終点駅での機関車の付け替えの手間を省いて、短時間での折り返し運転を実現。さらに、1日中頻繁に運行している地域では、専用の切符窓口が設けられている場合もあり、短時間で購入でき、駅に行きそのまま列車に乗ることも可能だ。こうした鉄道を利用してもらうための、様々なサービスにより、今まで鉄道には縁がなかったビジネスマンや外国人観光客も移動時間短縮のために城際列車を利用するケースも見られるようになった。
 
 このように、城際列車は中国鉄道において、いまや重要な位置を占めるまでになった。そして07年のダイヤ改正では最高速度200km/hを誇る動車組と呼ばれるCRH(和諧)シリーズが全国に配備され500〜1000kmの中距離クラスの城際列車も増え始めている。さらに各地域で高速旅客専用線が建設中ということもあり、これらのインフラ整備が進めば、城際列車は中国都市地域においてのシティー・コミューターとして、より身近な交通機関として存在することになるであろう。

京津城際鉄路

CRH3  08年8月より、北京オリンピックに合わせて開業した高速専用規格路線を持つ、京津城際鉄路(北京南〜天津)が開通しました。列車番号は都市を意味する「城」(Cheng)からCを取ったCxxxx次となり、最高速度350キロを誇るドイツICE3をベースにしたCRH3や、時速300キロ近くまで出す中国知的財産権CRH2Cが常備。1日87本走るようになり、同区間を30分で結ぶようになりました。
 本数は1日京津城際鉄路だけで59本、他に天津西へ向うD列車が13本あり、合わせて72本の発着となる。本数が格段に増えたため、切符が買いずらいという世界はこの列車の運行区間だけでは過去のものになりつつあります。また、9月より天津開発区である塘沽の運行も1日4本実施されています。特等99元、一等69元、二等58元。
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和諧長城号

 08年8月より、万里の長城・八達嶺観光客需要に合わせて、誕生した観光列車です。万里の長城行くことと、最近の政治的スローガンを掛け合わせて「和諧長城号」と命名されました。
 この列車が走る区間は、北京市がベッドタウン住民の通勤用を考慮し、周囲の近郊都市との鉄道網を敷く、「北京市郊鉄路計画」の一環として新たに整備されたS2線。同線は北京北〜八達嶺間は旧京包線の線路を利用。最終的に延慶までの82キロを結ぶ新線として開通したのです。
 ここで使用される列車はすべてディーゼル編成の動車組である和諧長城号。観光目的で誕生したため、列車番号は旅行を意味する「rvYou」(旅游)からYが付いています。
 江蘇省で製造されたディーゼル機関車を前後に配し、中間に客車を配備した動車組で、かつての神州号をほうふつとさせます。機関車はDF12をベースに造られており、最高速度は130キロ。また客車は、外見は25Tベースながら内装はCRH2「はやて」の座席技術を流用し、座席回転も可能です。窓は通常の客車よりひとまわり大きく設計されており、なかでも食堂車の窓は見晴らしがすばらしく、南口から八達嶺まで続く迫力あるパノラマ観光が楽しめます。
 途中停車駅は、清華園、清河、昌平、南口、八達嶺。所要時間は70〜80分となっており、非空調緑皮車が走っていた慢車時代の約半分。ただし、運用面において平日の乗客の伸び悩みのため、16本あったダイヤ設定は09年10月1日の時点では1日10往復設定となってしまっています。

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北京西―石家庄/太原(石太線高速鉄路)

石太高速鉄路1999年に誕生した石家庄行き城際列車は、全国に先駆けて2階建て25K型車両を採用。そして、第6次ダイヤ改正からCRH2を導入し、北京〜石家庄/邯鄲のスピードアップに貢献をしています。
 さらに、09年4月1日のダイヤ改正では、石家庄〜太原を結ぶ石太高速線(189キロ)が開通しました。この路線では、D列車こと動車組のCRH5が運用に就いている。K快速だと10時間近くかかった北京西〜太原間が、高速専用線と動車組の相乗効果により、一気に3時間半に縮まり、アクセス至便になったのです。切符が品薄になりがちなため、一刻も早い列車の増備もしくは本数の増加を希望します。
 また、同線を使って、瀋陽北〜太原間、鄭州〜太原間の動車組運行もそれぞれ1日1本あります。

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済南―青島(膠済高速鉄路)

 動車組を製造している四方のお膝元を走る膠済線。済南〜青島間を結んでおり、09年から高速旅客専用線が使用され始めました。現在、同区間の動車組は片道18本運行されており、そのうち済南〜青島間は11本、北京〜済南東〜青島間は6本運行しています。09年の11月には更なる高速化を予定しており、済南〜青島間が100分前後で結ばれることになるでしょう。

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上海/上海虹橋―南京(滬寧城際列車)

滬寧動車組  10年7月1日に開業した滬寧城際鉄道は、上海と南京間を75分で結ぶ都市鉄道で、時速350キロの動車組が担当している。同路線は、在来線の滬寧線に平行して建設されており、動車組の大半はこの路線に移行されることになった。
 現在、上海駅と上海虹橋駅を起点に1日最大100本近い高速車両が運行されており、上海虹橋駅発着便は虹橋空港からの乗換えが非常に便利。将来開通する京滬高速鉄道は別に建設される。

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上海南―杭州―寧波/温州南/福州(甬台温、温福高速鉄路)

甬台温線と温福線  09年9月28日より杭州〜寧波、寧波〜温州南(甬台温)、温州南〜福州間(温福)で高速鉄道が同時に開業しました。この開業で同路線にはCRH1Bをはじめとする動車組が逐次投入され、これまで客車一辺だった同地域の輸送手段から高速輸送に変わり、生活環境が大きく変わりつつあります。
 これらの路線は寧波より先は沿岸を通るため、沿岸都市である台州、温州、福州が1本の路線で結ばれることになり、実際乗車率もかなり高いです。上海南〜福州間は最速約5時間半。平均でも6時間前後とZ列車(上海〜福州間)の約半分です。
 同路線の今後は、厦門、汕頭などの沿岸都市を経由して、最終的には深センの福田新駅まで延伸されます。

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上海/上海南―杭州(東)―義烏―金華西/南昌/長沙/武昌

 上海デルタ三角地帯の何尾を走る、上海(南)―杭州の城際列車は07年以降は動車組を使用、10年10月以降は滬杭動車組が開通し、次世代動車組ことCRH380上海〜杭州が1日50本運転。ほかに寧波、福州、アモイ、長沙、南京などからの動車組も高速路線で走るため、1日80本近くの動車組が走るようになりました。

 この区間の一部の列車が停車する杭州南駅は杭州の銭塘江を渡った南にあり、一応杭州駅に行くバスが出ているものの、寂しい場所には変わりありません。また杭州南駅からでは始発列車がないため長距離寝台に乗車することはほぼ絶望です。杭州から移動するには必ず杭州駅発の列車の方が乗車しやすいです。


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福州〜厦門(福厦高速鉄路)

福厦線を走るCRH1E  10年4月26日より福州と厦門の274キロ区間に福厦高速鉄道が完成。福州と厦門間で1日22本、上海行き2本、広州行き1本の動車組がこの路線を走り、最高時速250キロを保ち続けたまま、最短1時間半で終点に到着。上海から厦門までは約7時間半〜8時間の乗車となる。
 使用車両はCRH2とCRH2E、そしてCRH1E。上海から厦門まではCRH1BとCRH1Eが運転する。寝台動車組に限って、4名個室の軟臥は2等座席に変身。つまり、片側3人掛けが向かい合わせで6名と広くもない空間に押し込められる形で、これで8時間なんて冗談じゃないと思う。また、CRH1Eは高級軟臥が連結されており、こちらは1165元と距離の割りにスペシャルな割高料金で、そこまで金を掛ける価値がるかどうか疑問に残る。
 どちらかというと、車両の供給は過多に近く、乗車率が悪ければ列車の間引き運転も予想され、そうならないように頑張ってもらうしかない

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北京―瀋陽北/長春/哈爾濱

CRH5 首都北京と東北地域を結ぶ高速列車は、04年よりZ列車の運行が開始されたましたが、07年4月のダイヤ改正(高速化)に合わせて、瀋陽北、長春、哈爾濱(ハルピン)と北京との間でそれぞれD動車組・CRH5(アルストーム製)が導入されました。
同区間の所要時間は、瀋陽発が約4時間、長春発が約6時間、ハルピン発が約8時間とZ列車よりも速く、昼間の運行もあいまって、北京と東北を結ぶ重要な足がかりを築きあげています。高速列車運行目的で03年に設計された秦瀋旅客専用線を通過中は、乗車中振動が少なく安定した走りで少なくとも最大時速250キロ近くは出しています。
しかしながら、肝心のCRH5は運行開始当初、マイナートラブル続きの欠陥品で、故障による大遅滞のを頻繁に起こしていました。今となっては懐かしい思い出になっていますが。現在はCRH5の重聯運転を行なっています。

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武漢―長沙南―広州南

CRH2C  2009年12月に開通した武広高速鉄道。高速規格専用の路線と時速350キロの高速列車を組み合わせることで、10時間以上かかった在来線の乗車時間を一気に3時間弱へと縮めることに成功。直達運行は3時間8分だ。10年1月30日からは広州南駅発着となり、1日33本の本数に加え、1編成16両編成(まれに8編成)の運転ため、切符は非常に買いやすいです。

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広州東―深セン

広深鉄路この区間は深センが香港への窓口の役割を果たしてくれていて、しかも広深鉄路公司という企業が経営を行っているので、列車本数は大手の私鉄並に多いです。片道で1日120本近くの列車がこの区間を走破しています。だから乗車せずに線路の見えるところで列車を眺めていても決して飽きません。なんたって10分に一度は何らかの列車が通過するんですから。
 
現在は、カナダ・ボンバルディア製CRHが活躍しています。本来なら1時間を切る列車もありますが、線路の容量が満杯ですので、ラッシュ時間帯などは少し遅れてしまいがちです。ともあれ乗ってみる価値のある区間には間違いありません。
 
広州―深セン間を途中停車なしで走破する列車もありますが、中には途中駅の石龍、東莞、樟木頭にそれぞれ停まる列車もあります。だいたい30分から1時間のうちの一本はこれに該当します。
 
【広深鉄路ICカード切符2006年12月】
城際特快にICカード切符が使われています。終点の駅で切符は回収されてしまうため、自動改札近くにある発券機にIC切符をかざすと、赤レシートの発票が印刷されるので、これを領収書代わりとします。
 
広州駅では、北から到着した乗客のために、出口通路付近に専用の切符販売窓口を設けていますので、一旦広州駅の外に出る必要はありません。
 
広州発早朝便は[D7001次]6:06広州発(7:26深セン着)。
深セン発早朝便は[D7024次]6:15深セン発(07:33広州着)。
 
広州発最終便は[D7167次]22:50広州東発(23:56深セン着)。
深セン発最終便は[D012次]22:50深セン発(23:56広州東着)。

深セン―広州―韶関

 深セン、広州から広東省北部の韶関および坪石間を往復する城際列車です。広州〜韶関/坪石の往復は1日2本。また、深セン〜韶関間は1往復の設定があります。
 使用車両は2階建て硬座車と25系軟座車。この25系は初期型で、改革開放後、日本の川崎重工製の車両が混じっている貴重な車輌です。また、深セン〜韶関を結ぶ客車は、SRZ125Zと2階建て一等車を使用しています。

哈爾濱―斉斉哈爾

 東北の主要都市、哈爾濱―斉斉哈爾間を結ぶ城際特快は片道6本走っています。
 
T5001/4/5/8次の車両はもと上海鉄路局で活躍していた、2階建てNZJ1型ディーゼル特急、新曙光で、288キロの区間を2時間25分で結んでいます。
T5002/3/6/7次は従来ボンネットタイプの北亜型の動車組です。

哈爾濱―牡丹江

 東北の主要都市、哈爾濱―牡丹江間を結ぶ城際特快は片道3本走っています。特急ボンネットタイプのディーゼルカーと25G型車両で、N11/12次を除く哈爾濱ー牡丹江間の快速は途中停車なしで平均時速90キロで走り抜けます。また牡丹江からはさらに鶏西や東方紅行きの管内快速が走っています。
 
K7001/4次は25G型車両で硬座と硬臥が連結されています。この硬臥も硬座扱いです。従業員はしっかりしていています。
K7002/3次はステンレスタイプの車両で、こちらには軟座(76元)が連結されています。
N11/12次は「北亜」と呼ばれる特急タイプの車両で全て硬座編成ですが車内は一番綺麗です。がサービスは最悪で、乗車はお勧めしません。

哈爾濱―佳木斯

 東北の主要都市、哈爾濱―佳木斯間を結ぶ城際特快は片道2本走っています。片道500キロは東京―大阪間に匹敵します。こちらも「北亜」タイプのディーゼルカーで、途中停車なしで平均時速100キロで走り抜けます。

大連―瀋陽/瀋陽北/長春

 遼寧省の経済特区と省都、大連―瀋陽間を結ぶ城際特快は1日往復7本走っている。
 
  T5XXX次で始まる東北の主要都市を結ぶ列車は時速160キロを出す25K車両を採用。大連―瀋陽間は軟座中心、大連―長春間は軟座と寝台の編成。またドイツの技術を使った国産電車・長白山号は大連―瀋陽間で走っている。

瀋陽北―丹東

瀋陽北―丹東の城際列車は緑皮車で、硬座は車輌によっては硬臥車輌、軟座は軟臥車輌となります。基本的にはベットに上がるのは禁止だですが、暗黙の了解で皆ベットに登っています。特に軟座は軟臥なのでお買い得です。

鄭州―漢口

鄭州―漢口間を結ぶ城際特快でCRH2を使った、D141次とD148次の1往復が運行しています。
 

武昌―南昌/黄石東―武昌―赤壁

 武昌―南昌間を結ぶ城際特快でT275/6/7/8次の2往復が運行しています。
 
  客車は25G型(紅皮車)から25K型に格上げされました。25K車両はDF11G牽引で軟臥、硬臥、硬座を編成。また、2007年08月より北京天津で活躍していた神州号がT275/6次として運行を開始しました。
 
 リファインされた神州号は、動力部分を含めると10両編成で、定員は1100名です。これから第2の人生をこの華中地域で活躍してもらいたいものです。

鄭州―西安

CRH2C   鄭州と西安を結び、時速350キロ営業運転を行なう鄭西高速鉄道は484.518キロ(営業は505キロ)。徐州〜鄭州〜西安〜蘭州の徐蘭高速鉄道の一角を占める重要な路線です。全区間のうち、橋梁とトンネルは全体の59.75%を占めています。同線は05年9月より正式に工事が開始され、投資額は546億元。
開通後の年間最大輸送能力は8340万人に達し、初年は3700万人の利用が見込まれまれます。09年6月28日に全区間でレールが敷かれ、09年9月よりテスト運行が行われ、12月に時速394.2キロの記録を出しています。
 10年2月6日の春運より運行を開始。1日7往復のダイヤ設定となっています。一等390元、二等240元。
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成都―重慶北

成都鉄路局ののCRH1  09年に成都〜達州間および遂寧〜重慶北間で複線ならび高速化の路線が完成。09年9月26日から上海から移ってきたCRH1が1日7往復同区間を運行。ダイヤもこれまで4時間以上の運用から130分前後に短縮され、高速バスとの競合では優位に着きました。先鋒号と藍箭は成都へ異動となりました。 
 
 09年9月26日以前の内容:2006年5月1日より四川省成都と重慶市との間で、昼間の城際列車がそれぞれ2本ずつ運行されることになりました。理由は成都―遂寧―重慶間の新路線が開通したためで、それまでは成都―重慶間は夜行しかなく、昼間は高速バスに圧倒的な差をつけられていたので、この列車開通で何とか巻き返しを図れそうです。
 
  距離は338キロで時間は大体3時間30分と言うところですが単線が続きますので30分前後到着時間が変わる場合もあります。従来の成渝線よりは大幅にショートカットされています。車輌は2階建て25Bで空調車1輌、軟座1輌、硬座9輌の11両編成です。
 
 2007年の7月から、中国国産の先鋒号および藍箭号の運行が開始され(T882/3次、T884/1次)、同区間を3時間半で結ばれるようになりました。座席は1等軟座×1、2等軟座×5の6両編成。

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南寧―柳州―桂林

南寧鉄路局の城際列車   広西チワン族自治区内を走る城際列車はT87XX次、K93XX番台から始まります。桂林までの431キロを約5時間半で結びます。
 使用車両は北京から移ってきた2階建て動車組である神州号やディーゼル機関車牽引の2階建て客車などがあります。なかでも客車の方は2階建てでなく平屋の車両も連結していますが、軟座はなんとRZ24を使用。塗装こそ25Gカラーに統一されていますが、いち列車あたり3両は連結しているので、乗車する価値はあります。
 南寧地域には、他に北海を結ぶ北海号も1日1往復しています。  

昆明―大理ー麗江東

麗江東行きの2階建て寝台車  10年1月より昆明〜麗江東を結ぶ直通が1日2本開通しました。距離521キロで昼間、夜行直達1本ずつ。また、距離359キロの昆明〜大理間は1日1本です。
 途中の大理は瑞麗や西双版納へ通じており、終点の麗江は香格里拉等の奥雲南、さらにチベット・ラサへ通ずる入り口にあたります。この区間は昼間なら飛行機が飛んでおり、またバスも昆明から頻繁に出ているため全く競合にならなず、あくまでも観光列車という位置づけで考えてもらったほうがいいかもしれません。
 夜発の列車は片道2本で21時以降に発車します。いちおうノンストップですが、時速50キロペースでゆっくり走ります。8時間もあれば仮眠をとる時間ぐらいは稼げるとおもいます。
 
 この区間でただ乗るだけなら夜間、沿線景色を楽しむなら昼間の列車に乗車でしょう。特に、早朝麗江東発昆明行きの大理周辺は湖そばをずっと走るので景色は最高です。ただし、昼間の急ぎの移動ならバスか飛行機でも構いません。理想は昆明から麗江東までは寝台。麗江東から大理までは昼間の普快。大理から昆明までは高速バスといった利用方法がベターです。
 
 車輌は緑皮車と25G型と2階建て25B型車輌と3種類に分かれています。2階建て車輌では硬臥、軟臥が連結されます。夏シーズンになると、大理行きの切符は旅行会社に買い占められてしまいますので、窓口に行かず、旅行会社に行く方がよさそうです。

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昆明―曲靖

昆明鉄路局の城際列車  07年6月、この区間を新たに城際列車が走り始めました。使用される車両はSS7E電気機関車と25G型の9両硬座車輌。
 これらの列車は157キロを1時間半で結び、運行が分かりやすいパターンダイヤを採用しています。あまり交通便のよくない地域を、1日双方7往復するため、沿線の住民からはなかなか好評を得ており、切符は品薄になりがちです。

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