列車乗車あれこれ

知っておいてもらいたいこと

まず列車に乗車する前に幾くつかのルールを知っておいてください。

入場券の存在

站台票  前項でも紹介したとおり、中国の駅ではホームへの自由な出入りが禁止されている。しかし、乗客の親戚や友達がホームまでの送迎を目的とするなら、「站台票」という入場券を使ってホームに出入りすることができる。この入場券は切符売り場の一角や、駅出口付近で販売されており、料金は1元前後。切符にはその都市をイメージする写真と副券がミシン目で繋がっており、副券の方を駅職員が破る。ホームへのルートは、改札口から入る場合と、出口から入る場合2パターンあり、職員に「送朋友」「迎朋友」と告げないと入れさせてくれないことも。
 一部の人民は、この入場券を使い、そのまま列車に飛び乗り、車内で補票を行なっているが、このやり方は緊急時以外、とてもリスクが高く勧められたものではない。 また、混む時期になると、ホームに人が溢れすぎるのを防ぐため、入場券購入の際には切符を見せることが条件というケースもあり、発売を制限する動きを見せる駅も出てきた。入場券を使ったホームでの撮り鉄は、撮り鉄自体が駅職員や鉄道警察たちから理解されておらず、不審人物と看做されることもあり、安全上注意を受ける場合があるので、その時は素直に従うことだ。

駅員の質

 はっきり言って、最悪です。よく駅で、為了人民服務と書かれた看板を見ますが、実際の仕事への意欲はほぼ皆無です。ただ乗客と違い、乗客に切符を発売したり、ホームに入れさせる権限があるので、やたらと威張りたがります。傍から見れば彼らの行為はただの弱いものイジメにしか見えなくない場合も限りがありません。まあ、民度が低いからという理由で納得するしかありません。

ホームでの撮影

撮り鉄  鉄道ファンにとって、ホームでの撮影は楽しみの一つで、ましてや外国だと尚更でしょう。ただし中国の場合、建前上列車の撮影は禁止で、駅員によってはうるさく注意してくる場合もあります。
 また大きな駅では地方幹部が列車で移動する場合があり、警戒が厳しい時があります。このとき知らずに撮影を行おうものなら下手すると捕まりますので注意してください。
 もっとも職員や駅公安でも撮影に気にも留めない方が多いですが、駅での撮影は自己責任でお願いします。

車内は禁煙

禁煙マーク  中国列車では建前上、車内での喫煙は禁じられており、唯一吸えるのは、灰皿がある車両端のデッキのみ。違反をすれば、乗務員から厳しく注意されることも。また、食堂車も禁煙マークが張ってあるが、ここは乗務員や鉄道警察たちが率先して法を破り、喫煙シーンをよく見かけるため、食堂車内はタバコ臭い時もある。最近の城際列車に使われている車両では、デッキすら禁煙となっており、愛煙家にはタバコ受難がやってきそうだ。

最近よくなった? トイレ事情

衛生間  トイレは車両の両端にそれぞれ1箇所か、ひとつの端に2箇所設置されており、客車の種類によっては洋式と和式と分かれている場合もある。ひと昔前までは汚れ方がひどく、カルチャーショックを受ける外国人観光客も少なくなかったが、最近の優等列車は各車両を担当する乗務員によりこまめに掃除され、小ぎれいになっている。トイレットペーパーはあるが、大量に使う(持ち出す)乗客が多く、あっというまに消耗してしまうため、持参したポケットティシュやトイレットペーパーの携帯は忘れずに。
 垂れ流しのため、間違って便器内に物を落としたらそれが最期、当然手元には戻らない。特に前かがみになった時の胸ポケットには注意しよう。また、停車する駅が近づくと乗務員がトイレに鍵をかけてしまい、使用不可能になる。
 最近増えてきた、中国製25T車と一部の25G車には床下タンクが設置され、真空フラッシュ式で汚物を吸引するが、電気で作動するため、機関車から供給電力されている列車は、機関車の連結、切り離し作業を行う途中停車駅でのトイレ使用はできなくなる。