09年の中国鉄路状況

成長を続ける中国鉄路

北京〜上海間の新しい顔となる寝台動車組、CRH2E  北京オリンピックも無事終わり、ようやく一息ついた中国。しかし中国鉄道にいたっては、折からの不景気対策として鉄道建設による内需拡大が叫ばれており、09年は投資額:6000億元、沿線設備投資:5800キロ、乗客輸送:16.1億人、貨物輸送:33億トン、輸送年度収入:3885億元を目標設定。各業界が不況にあえぐなか、鉄道業界だけは好調だ。
 そして、旅客の高速化と大量輸送を両立させるための高速鉄道建設、中長期鉄路網計画と相まって、今後も営業路線面を拡大していく。そのため、今後は列車情報が頻繁に変更していく可能性は極めて高い。
 
 実際、07年4月18日の第6次ダイヤ改正以降、08年の京津城際鉄路開通に引き続き、08年年末と09年4月に高速化を意味する大規模なダイヤ改正が行われた。
 なかでも、4月の改正は石太高速線(石家庄〜太原)と合武高速線(合肥〜武漢)が同時開業。営業路線の拡大と同時に動車組、特快、快速などの列車番号を最大3桁から4桁に増やしたほか。N(管内)快速称号を廃止し、すべてK快速に統一させた。
 また今回は、鉄道部による「切符入手困難の解決」を意味するてこ入れが行われ、D動車組とZ列車を増加させたほか、長距離普快列車を28本投入している。
 
 そして、上記の高速線が開通し、その区間を時速200キロの動車組が走ることにより、従来より大幅なダイヤ短縮が実現。これにより、北京から太原、華東から安徽、湖北へのアクセスがグッと向上した。
 これらの高速線は、先に述べた中長期鉄路計画網に基づいて建設されたものである。10年末には上海では上海万博、広州ではアジア国体が開催されることもあり、これら国を挙げての重大イベントと同時開業を目標に、現在、寧滬高速線(南京〜上海虹橋)と武広高速線(武漢〜広州番禺)の建設が急ピッチで行われている。中長期鉄路網計画の工事完成が2020年。これからはほぼ毎年、何らかの形でその成果が現れるだろう。
 今後も発展を続ける中国鉄路。その勢いはとどまる所を知らない。

中国鉄道概論

DF4D1893号機・毛沢東号  日本の25倍の広さを持つ中国。現在、中国の鉄道は、北京を本拠に置く中国鉄道部を頂点に、各地方鉄路局、一部地方鉄道、駅という組織で成り立っている。
 レール式の標準軌を採用し、07年の時点で、総営業距離7万8000km(地方鉄道、合資鉄道を除く)のうち、複線は2万7000km、電化路線は2万5500kmに達しており、北は満洲里、南は海南島、西はウルムチ、カシュガル、ラサとくまなく全国に渡り鉄道網が敷かれつつあり、なかでも東北から沿岸地域にかけて路線が集中している。中国鉄道では、現在旅客よりも貨物運輸の方を重視しており、新線が開通すると最初に貨物を通してから半年後ぐらいに旅客が投入される。
 永らく蒸気機関車の天国が続いたが、ディーゼル機関車の配置換えが一気に進み、国鉄幹線はおろか、地方鉄道も全滅の危機に瀕している。一方主力幹線の電化も進み、時速200kmを誇る高速列車やスピードの遅い貨物が雑居しているものの、割りと正確にダイヤが組まれ、旅客は約7分に1本、貨物は約3分おきに1本と集中運行が行われ、世界レベルから見ても、ダイヤの管理能力はずば抜けている。
 過去10年で6回の速度向上を意味するダイヤ改正を果たしたのち、主力幹線の飽和状態を解決させるため、中長期鉄路網計画による高速鉄道網の整備と、石炭を中心とした貨物の輸送力増強を推し進めるため、八縦八横※による既存路線の整備と新線建設が進んでいる。将来、旅客と貨物の分離が徹底化されることにより、物流の効率の向上も期待できる。
 現在、北京〜天津間で時速300kmの京津高速鉄道の開通が行われ、在来線では、城際列車という中短距離を中心とした都市間快速が大都市間を中心に多い地域では1日100本の往復運行が行われている。また、路線によっては長い時間をかけて運行を行うため、夜行列車を兼ね備えた長距離列車の本数も充実している。
 各都市においては排気ガスを排出するバスに代わり、地下鉄、軽軌らの建設が急ピッチで進められている。また、東北地方では市電も残されており、車両も最新式のものにリニューアルされている。
 切符は10年前に比べると、新線の開通や列車本数の増加により、始発駅から発車する列車などでは入手も容易になったものの、四川や新疆ウイグル自治区、チベットなどは「1枚の切符」すら手に入れることが今なお難しい。
 
八縦八横
八縦
京哈線(北京〜ハルピン)
東部沿海鉄道(瀋陽〜大連〜煙台〜杭州〜寧波〜温州〜アモイ〜広州〜湛江)
京滬線(北京〜上海)
京九線(北京〜深セン/九龍)
京広線(北京〜広州)
大湛線(大同〜湛江)
包柳線(包頭〜柳州〜南寧)
蘭昆線(蘭州〜昆明)
八横
京蘭線(北京〜蘭州)
隴海線(連雲港〜蘭州)
蘭新線(蘭州〜ウルムチ)
寧西線(南京〜合肥〜西安)
滬昆線(上海〜株洲〜昆明)
煤運北通道(大秦線、朔黄線)
煤運南通道(太原〜徳州、長治〜青島、侯馬〜日照)
沿江通道(重慶〜武漢〜南京〜上海)
西南出海通道(昆明〜南寧〜湛江)

簡単な中国鉄道分布範囲

CRH1中国の鉄道では中央の鉄道部を中心に全国で幾つかの鉄路局(公司)を運営しております。
 
ここでは各鉄路局とその拠点駅、主な駅を紹介いたします。

鉄路局 略称 拠点駅 主な駅
哈尓濱鉄路局 哈局 哈尓濱 牡丹江、佳木斯、斉斉哈爾、海拉爾、満洲里
瀋陽鉄路局 瀋局 瀋陽 大連、長春、吉林、丹東、通遼、赤峰、山海関
呼和浩特鉄路局 呼局 呼和浩特 包頭、二連
北京鉄路局 京局 北京 天津、石家庄、唐山、秦皇島
太原鉄路局 太局 太原 大同、運城、平遥
済南鉄路局 済局 済南 青島、泰山、徐州、連雲港
上海鉄路局 上局 上海 合肥、南京、鎮江、無錫、蘇州、杭州、寧波、温州、阜陽
鄭州鉄路局 鄭局 鄭州 安陽、新郷、許昌、商丘、洛陽、三門峡
武漢鉄路局 武局 漢口 武昌、襄樊、宜昌、十堰
南昌鉄路局 南局 南昌 九江、吉安、龍岩、武夷山、福州、厦門
広州鉄路集団公司 広鉄 広州 長沙、懐化、東莞、深セン、汕頭、三水
西安鉄路局 西局 西安 宝鶏、安康、漢中、延安
南寧鉄路局 寧局 南寧 柳州、桂林、湛江、茂名
成都鉄路局 成局 成都 重慶、達州、広安、広元、攀枝花、貴陽
昆明鉄路局 昆局 昆明 大理、広通、曲靖
粤海鉄路公司 海口 三亜
蘭州鉄路局 蘭局 蘭州 銀川、武威、天水、嘉峪関、敦煌
青蔵鉄路公司 青段 西寧 格爾木、拉薩
烏魯木済鉄路局 烏局 烏魯木済 吐魯番、哈密、庫爾勒、阿克蘇、喀什