切符の買える時期・買えない時期

中国人の休みは避ける

中国には国民三大休暇という長期休暇が1年に3回あり、春節(1月or2月)、労働説(5月1日〜)、国慶節(10月1日〜)と7日から10日の休みになります。春節なら前後1ヶ月、それ以外の休日なら2週間ほど旅行は避けたほうがいいでしょう。まず列車切符は買えません。無座で乗車しても立錐10時間という過酷なケースもあります。
また休日ではないですが、夏休みとして7月頭から9月の頭まで学生の移動もおこりますので、この時期も若干難しいかもしれません。
この期間は、前もって旅行会社に頼んでおくのがベターだと思います。
上記に挙げた期間を除けば、比較的買いやすいと思います。

買いやすい切符

一例を言います。

・北京−上海、北京西−漢口・武昌のZ列車切符は簡単に購入できます。軟臥が多いので安心して乗車できます。
・北京西・上海⇔香港行きの切符も行く人が限られるので、購入は容易です。
・北京−天津や南京−上海などの城際特快列車の切符もわりと早めに行動を起こせば買えます。
・広州東−深セン行きの城際特快は本数が日本の大手私鉄並みに多いので、発車30分前でも購入できます。

まとめれば、Z列車と城際特快は頑張れば切符入手が自力でも容易ということです。

買いづらい切符

一例を言います。

・西安方面の列車。団体客で常に旅行会社が押さえています。
・チベット・ラサ行きの切符。これも需要が圧倒的に多い切符です。
・四川・重慶行きの切符。交通の便の悪い割には人口が多いので、買いづらいです。
・シルクロード。行きはよいよい、帰りは怖い。
・福建方面。インフラが未整備なため。
・広州東⇔香港ですと、日曜日の夕方〜夜の便は買えなくなっているときもあります。

以上、このようなケースの場合は、自力で購入しようとは考えず、旅行会社に頼んでおくほうが無難です。

切符発売制限

駅によっては特定の切符(特に軟臥と高級軟臥)を発車前日や当日じゃないと売らないという姑息な手を使ってきます。もちろん買う側はそんなこと全く分かりません。
北京でしたら、T55次の2階建て軟臥が発車24時間前じゃないと発売しません。何故そういうことをするか?先進国には理解できない意地悪なシステムです。
 

列車内での補票

無座からの脱出

混んでいる時期や途中から乗車する場合、切符が売り切れ、もしくは切符そのものが無く、無座切符しか発売していない駅もあります。
その場合は硬座車輌からしか乗車できず、座る席もないという一番惨めな状態に置かれます。この環境から脱出したければ、座席を変えるしかありません。
 
中国列車には必ず列車長が1人から2人いますが、大体硬座か硬臥の車輌に列車長室というエリアがあり、列車長はいつもとは言いませんがそこにいる場合が多いです。座席のランクを上げるなら直接列車長と交渉して硬臥なり軟臥なりの座席に換えてもらう必要があります。この座席のランク上げを補票と言います。
 
行動は直ぐ起こしてください。列車が発車して1時間もすれば、空いている硬臥や軟臥は直ぐに補票を開始しますが、あらかじめ申請しておかないと、申請したときには既に埋まっていたという事態さえ起こるからです。交渉は中国語か筆談でしか方法がありません。
 
もし上手く補票が成功すれば、ランクの上がった座席料金から、移った時点から終点までの座席距離と一番最初に買った切符の料金が差し引かれ、手数料5元プラスされた料金を提示されます。この提示された料金を支払えば終わりです。
 
ただし実際の補票は他の希望者もいっぱいいるので難しく、中には服務員に賄賂を渡してやっと補票を受け付けてもらえたという話もあります。補票を行いたくなければ、乗車した座席のままで終点まで乗りとおすか、途中乗車を止め、始発の列車が出ている駅まで行くか、切符購入時点で気に入った切符が無ければ諦めるという方法しかりません。

途中再乗車と乗り換え

中国の列車切符システムは、基本的に始発から終点までの乗車と決めているため、途中下車や途中駅での再乗車や乗り換えはとてもしんどいのが現実です。途中下車再乗車ですと、一旦列車を下りたら、駅出口付近に中転と書かれている窓口に行き、下りた駅から再び乗車する手続きを取ります。
 
といってもここでは座席のランクを上げることは出来ませんし、切符が余っていなければ硬座か無座になります。その際の差額は支払われますが、5元の手数料はかかります。
 
乗り換えも、同じく中轉の窓口で手続きを行い、当日の切符があれば、問題ないですが、途中駅ですとどうしても硬座か無座になりがちで、再び乗車してから補票の手続きの面を考えると、勧めたくはありません。 ですので、出来れば始発の本数の多い大きい駅に出るか、初めから途中下車を含めた旅行の計画を練るしかありません。

最後の手段、高速バス

途中駅始発や直前で買えなかった場合は補票の説明をしましたが、それでも無座から乗車しようとする乗客の気持ちはいいものではないでしょう。
そのときは、ちょっと列車からは反れますが、高速バスを使うという手段があります。
中国の高速道路網の発展はすさまじく、全国の地図をみると、ほぼ開通しています。都市と都市の間には必ずといっていいほど高速バスが走っている可能性は高く、手段を移動と考えている方には、逆に列車よりもお勧めできます。
本数が多ければ、10分に1本は出ています。ずっと高速道路の上を走るなら、城際特快に負けない速さで移動します。
車内も綺麗で、バスによってはビジネスクラス並みのシートピッチのある座席を用意してくるバスもあります。また水1本分のサービスを行ってくれるバスもあります。
本数が多い分、料金は高めで、例えば上海南⇔紹興間だと城際特快軟座は57元ですが、バスですと80元もかかります。ただ料金が高い分、乗客は乗ってこないので、常に満席ではありません。
高速バスが発車している場所は、地図上ですと○○長途汽車站(バスターミナル)と書かれていれば高速バスはあります。しかし市内によっては何箇所もバスターミナルがありますので、何処発のバスターミナルのバスは何処までいくという状況をしっかり事前調査しておかなければいけません。
駅前などから客引きバスがありますが、これはいわゆる白バスの確率がかなり高く、お勧めできません。また夜行バスは荷物の盗難などの安全上に問題があり、これもお勧めできません。
 
以上で中国鉄道の切符システムを説明しましたが、いかがだったでしょうか?
ヨーロッパに旅慣れている方や、来たての中国駐在員だと中国鉄道の切符システムを甘く見がちですが、ここを押さえておかないと、あとで大変な目に遭います。
 
“中国の鉄道切符システムを押さえる者は、中国での生活リズムを押さえる”
 
大げさに見えるかもしれませんが、私にはこの格言はぴったりと当てはまると思います。
ひとりでも多くの方が、この切符購入方法を理解していただき、快適な中国旅行をされることを望んでおります。